先日農薬を取り巻く環境の変化について聞く機会がありました。
そこで久しぶりに、最近すっかり話題にならなくなった
遺伝子組み換え作物(GM作物)の話を聞きました。
以前調べたときよりも、びっくりするぐらい栽培面積が増えていました。
バイオ燃料での需要が高まっていることも影響しているのでしょう。
埼玉県で撮影したトウモロコシの雄花。トウモロコシは風媒花なので、花粉は風に乗ってどこまでもどこまでも飛んでいき、いろんな品種と交雑します。受粉に虫は必要ないけど、時々ミツバチが花粉集めに来ています。遺伝子組み換え作物の問題は「種の保存」にあると思います。
世界でのGM作物の比率は、ダイズが一番高く、77%(主に油での使用)。
綿49%、トウモロコシ26%、ナタネ21%となっています。
GM作物の生産はアメリカがトップですが、昨今インドや中国などでも栽培が増えています。
日本ではGM作物の輸入は禁止されていますが、加工品原料としての使用は許可されています。
使用した際には表示義務があります。
納豆やみそ、ポテトチップスなど32種類の加工品については義務化されていますが、
醤油や油などの食品については、加工途中でたんぱく質が変性しているという理由から表示義務はありません。
さらに上記の食品について、以下の条件を満たすものには表示義務がありません。
「表示義務の対象となっている作物または加工食品を主な原材料とする食品であって、
その原材料の重量に占める割合が上位4品目以下もしくは食品中に占める重量が5%未満のもの」
何度読んでもよくわからないので、これを読むといつも自分はバカなんじゃないかと不安になります。
ただ、EUでは0.9%含まれていれば表示義務がありますので、
日本はEUと比較してGM作物に甘いと、消費者団体などが表示の改正を申し入れています。
国産と書いてないサラダ油などは、GM作物が使われていると思って間違いないでしょう。
私たちは知らずに世界中で一番GM作物を食べている国民であると言われています。
さて、GM作物については、日本では主に安全性についての議論がされていました。
GM作物は危険だとはっきりわかっているわけではないため、
だんだん議論もされなくなり、話題にも上らなくなったように感じます。
でもこんな話があります。
千葉や四日市の港に入った船から、GMナタネが油の精製工場へ移動する国道上に、
GMナタネが繁殖しています。
こぼれた種から芽が出て、春先には花を咲かせています。
この話は、人間のすることに完璧などあり得ないという証明のような気がします。
トラックから種がこぼれるなど、誰も考えていなかったのでは。
それらを発見している市民団体が協力し、繁殖しないよう年に何回か除草しています。
でもでも。花が咲けば花粉が飛びます。
いつか、日本のアブラナ科作物と交雑しないとは言い切れません。
働きもののミツバチちゃん。この娘は花粉集め係なので、足の花粉かごに花粉がいっぱいくっついています。この花粉は花粉パンに加工され、幼虫の食べものになるのです。ミツバチは自分の仕事をしているだけなのですが、植物にとっては交配の役割を担っています。
GM作物の花粉と、在来品種の花粉が交雑してしまうと、
もうその「種」は違うものになってしまいます。
南米のトウモロコシのように、原種が失われる可能性もあるのです。
風媒花の花粉がどこまで飛ぶか、働きもののミツバチがどこまで花粉を運ぶか。
誰にもわかりません。怖いと思いませんか。
※最近話題のCCD(蜂類崩壊症候群)はGM作物が原因のひとつ…という説もあります。
人知れず繁殖してしまっても誰にもわからない。
GM作物の本当の恐怖はそこにあると、私は思っています。









